「川上さんのお嬢さんが東大に入学したので、なぜ家で学習塾をしているのか、なぜ予備校で教えたのかということの謎が解けたような気がしました。」

「と言いますと?」と町会長。

「川上さんのお嬢さんですから、川上さんほどではないにしても、記憶力は悪くはなかったのだと思います。」

「と言いますと?」と町会長。

「問題は、東大に入ろうというモチベーションに欠けていたことだと推定しています。」

「親が東大を卒業しているのに、子供が東大に入りたくなかったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。おそらく、小学校の成績が東大に入れるようなレベルではなかったのだと推定しています。」

「親が東大を卒業しているのだから、お嬢さんの小学校での成績がクラスでトップであれば、東大に入ろうと考えるだろうが、普通の成績であれば、東大に入ろうとは思わないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのため、近所の子供が来るような学習塾を開いたのだと推定しています。」

「と言いますと?」と町会長。

「親が自分の子供を教えるのは難しいところがあるので、他の子供と一緒に教えて、競わせるようにしたのだと推定しています。」

「なるほど。娘さんにモチベーションがなければ、他に方法がなかったということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。予備校で教えたというのは、おそらく、東大専門の予備校で教えて、入学に必要な最小限の知識を見極めようと思ったのだと推定しています。」

「なるほど」と町会長。

「川上さんが東大に入学しようとしたときに、過去問を分析して、どうすれば入学できるかということを研究したと推定していますが、娘さんの能力が自分より劣るので、入試を突破するための必要最小限の知識を見極めなければならないと思ったのだと推定しています。」

「それでは、入試を突破するための必要最小限の知識が分かれば、僕も東大に入れるということですか」と町会長。

「原理的には、そういうことになりますが、脳の神経細胞の数が少なくなってしまっているのが問題かもしれません。」

「脳の神経細胞を増やすには、どうしたらいいのですか」と町会長。

2021/10/5

<水道後記34>
昨年、内径13ミリと内径20ミリの水道管が平行に走っているのを発見し、母屋の北東の角にある立水栓の近くでポリエチレン2層管と繋ぐという最初の計画が簡単にはいかないということに気がついたことは『水道後記33』で書いた。

どちらか1本だけなら簡単なのだが、2本あるので、両方に繋ぐべきなのか、1本だけに繋ぐべきなのか分からなかった。予期しない状態に頭が混乱していたことと防寒対策をしなければならない時期になったこともあって、水道工事は中止した。

防寒対策は今年の3月になっても続いていた。その頃になると、中庭をうろつく猫と、いつものことだが、庭や裏の栗林に生える雑草の除草に追われるようになり、水道工事に入る余力はなかった。<続く>

2024/9/19